現場日記

オタクの感想

人々の思い『ミュージカル刀剣乱舞ー東京心覚ー』

とてつもない作品を見てしまった!

というわけで、今回は刀ミュの感想です。

真面目に考察したりもしました。刀ミュで考察するのはじめて………もはや感想=考察みたいな感じになってます。

 

開幕早々、私刀ステ見てるのかな?実は豊洲にいる?になった今作。

初日配信と3月11日マチネ観劇。

座席は3バル後方。何気に3バルはじめて座りました。

今回ほぼオペラ定点してましたが、ステアラ後方3列以内よりTDC3バル後方の方がステージに近かった気がします、多分。

あと空調の関係か少し寒かったです。

 

ここからネタバレです。

 

歴史について

まず、歴史とか歴史上の人物の話をしたいんですが、時系列がめちゃくちゃで話が進むから、今作わかりづらい&頭を使う!(これは演出的なのでそれが悪いってわけじゃない)

個人的にも整理したいのでざっくりとした話の流れを書きますが、平将門が怨霊になる前の話と、怨霊になって祀られるようになった話と江戸城建設の話が今作出てくる歴史的な話の部分。繋がりはあるけれども940年と1400年代、1600年〜1800年代後半までの話が順番バラバラで出てくるので、初見だと見てる最中しっちゃかめっちゃかになる。

平将門は日本三大怨霊の1人で祀られている

・天海は江戸を守るための結界を作っていたという説がある

太田道灌江戸城建設に携わってた人

歴史的な話はこの3点がわかっていればとりあえずokだと思います。

あと勝海舟とかも出てくるけどまあ幕末だな〜だけわかれば大丈夫です(ざっくり)

 

今回の刀ミュは始まる前にまったくもって本編の情報がなかったので(題名からも察せないし)ある程度刀剣男士から予想を立てていたんですが、全然違いましたね……

歴史上の人物の姿は事前に物販等で見ていたので、衣装や様子から江戸時代主体で鎌倉とか室町時代が出てくるだろうか……とは思っていて、その辺りはなんとなく当たりでしたが。

やるなら里見八犬伝かと思ってたので……(ただ、一部史実と創作が入り混じった作品なので違うかなぁとも思ってた)

あとは東京とついているので、明治とかなんなら2021年来ちゃう?と思ったら、まじで今の時代が冒頭から出てきてびっくりしました。

 

本編の考察

さて、ここからは本編自体(考察メイン)の話になります。感想は次の欄で。

 

覚えてる範囲で順番に沿って書いていこうと思ったんですが、そうするとあの場所について書いていないのに、急に桑名が耕しているものの話とかが出てきちゃうので、とりあえず今作を見て私が考えた考察や感想をバラバラに書いていきたいと思います。

 

・砂の流れる地

まず、冒頭から出てくる砂の流れる場所はなんなのかについて。

刀ステによると、審神者たちはそれぞれ別の時間軸を守っているらしいので、刀ミュ本丸が守っていた時間軸が破綻し、何もない「無」の世界になってしまった状態、つまり人のいなくなった放棄された世界を見たんじゃないかと初日の段階では思ったんですが……観劇してみて、それもなにか違うもしくはもっと何かあると思ったんですよね。

2回目での考察は、2205年以降の世界の姿なのではないかと思いました。

西暦2205年に歴史改変を目論む、歴史修正主義者による攻撃が始まり、それを阻止するために時の政府は審神者と刀剣男士を各時代に送り込むーというのが刀剣乱舞のストーリーです。

そのことから、歴史改変をされたことによって、2205年以降の未来は人の消えたあの砂の地になってしまったが、その未来を変える(というより元の姿に戻す)ために、時の政府は審神者と刀剣男士を派遣しているのではないかと考えました。

そして、その未来を知っているのが何らかの理由で三日月宗近だけ(もしくは審神者も知っている)で、それを変えるために機能として動いているのかなと。

また、水心子が歴史を守る意味があるのかと主に聞いていたので、人の歴史を守ったところで、未来で人が消えてしまうなら意味がない、ということなのかなとも思いました。

まとめると私は、水心子のいた砂の落ちる場所は、2205年以降の日本で人々が消えてしまった無の世界、という事だと考えました。

 

・機能

ということでここからは「三日月宗近という機能」について。

三日月がどんな機能なのかはわかりませんが、とりあえず私は現時点では、各本丸の守っている時間軸の歴史の大まかな流れを変えないための機能だと思っています。

この機能はどの本丸にいる三日月にもある可能性が高いので、ここで刀ステの話を思い出してみました。

ざっくり説明すると刀ステの三日月は、何かの目的のために行動していて、何かを守ろうとしている。そして何度も同じ時間をループしている。そのループは意図的なものではなく、円環に囚われているため。現状こんな感じです。

また心覚の後半、三日月が新々刀と江を集めて語りかけますが、その時も「また会おう。」といった感じで同じ本丸にいるはずなのに別れを告げていました。

なので、刀ステ本丸の三日月と近い状況下に置かれている可能性は高いなと思いました。大典太さんは三日月の機能の事を呪いとも言ってましたし。

ただ、ステとミュで三日月の行動はだいぶ異なりますけどね。

ミュは三日月によって刀剣男士のことを知っている人間の協力者、物部が存在してますが、ステでは刀剣男士のことを知っている人間がとんでもない事をし出したので……(この話はステなので詳しく書きません)

いずれにせよ、どちらの本丸の三日月も何か与えられた役割、機能として動いているのだと思います。

 

・耕していた土地

さて、次は桑名江が耕していた土地について。

始めの方に書いた、人々の消えた無になってしまった世界(砂地になる前段階)だと思います。

始めのつるはしは使わなくなった道を開拓?するために使っていたので、道はアスファルトで覆われているのではないかなと感じました。

大地をノックして誰かいるか聞く。返事はなくても誰かがいたことを知っている。この歌の歌詞から、かつてこの地にいた人々のことを思っている歌なのだなぁと思いました。

たとえ放棄されていても、何もなくても、誰かがここにいたことは覚えている。

タイトルの通り、今回は「覚えている」がかなりのキーワードになっていると思います。

また、この無になってしまった世界のシーンは毎回大きな月が背景に写っているんですが、満月のように見えて、少し欠けているようにも見えなくもなくて……もしかしたら三日月の見えない部分を表しているのかもなぁと思いました。

 

・循環の歌

桑くん、雲くんコンビの循環の歌についてです。

この曲といい、別の曲でも江はそれぞれ自然に由来した何かが歌詞にあることが多い気がしました。

例えば豊前江なら風、桑名江なら大地のような……

この後書きますが、江の役割といい何かありそうな気がします。

 

・江の役割

江の役割は人と人ならざる者の架け橋となること。

人と人ならざる者というフレーズを刀ミュで聞いたことがあるような……と思ったら、

人と人ならざる者を繋ぐ=彼岸と此岸を繋ぐ=らぶフェスのテーマ=祭り

という風に考えはたどり着きました。

つまり江の者は祭りを行う?江単独なのか…?

また、江は葵咲では先輩、稲葉江が時間遡行軍側に、映画刀剣乱舞でも倶利伽羅江が時間遡行軍側にいたりと、以前から不穏な気配がありましたが、今回三日月と話して一体彼らは何の記憶が戻ったんでしょうか……

今までゲームの回想などを見て、江派が歌って踊れるというのは、篭手切江が勝手に言っているだけだけど、やりたがってるしみんなでやろう!みたいなことだと思ってたんですが、実はそうじゃない説ありますね。

 

・江戸の結界

今回の歴史上の人物は一見何の関係もない3人のように思えますが、共通点があり、それがこの江戸の結界です。

結界に含まれる神社を作った道灌様、結界を作った天海様、結界の守りとなった7人の将門公。

時間遡行軍がこの3人を狙うのは、江戸の結界を作らせないためなのではないかと思います。

あと、三池兄弟の回想を今まで誤解していた説が出てきたんですが、あの霊的守りは2205年の段階で破られそうって話ということで……?江戸がもっと続いたかもという回想なので、そっちのことかと思ってたんですが、違いそう。

 

・江戸の結界が破られ

歴史改変の結果、2205年以降に結界が破られ、無の世界になってしまう…というよりは、そのような出来事がいくつも重なった結果、無の世界になったのではないかと考えました。

水心子が少しでも三日月の手助けになれば……と動いて結界を守っていたので、この歴史を守るだけではこの問題は解決しないということだと思います。

 

・お面の子供

水心子の1人語りで来るという選択、来ないという選択と言っていたことから、刀ミュ本丸を見守っている人たち、つまりお客さんの集合体的な存在、そして流れ落ちる砂に話しかけてたことから、この無の世界にいた人々や亡くなった歴史の中で悲しい役割を背負った人々、それらを全部含めて刀ミュ本丸を思う心の集合体なのではないかと思いました。

能面の子=私たちが刀ミュを思うようになって生まれた存在と仮定すると、刀ミュの公演が始まって6年目なので、 容姿が6歳くらいの子供なのかなと。

水心子は三日月に何かを見せられた段階ではこの子に直接あったわけではない、そして私たちとまだ出会っていなかったので、誰だかわからなかったのかもしれません。

 

・無の世界に流れるのはなぜ砂なのか

「歴史とは大きな川の流れのようなもの」 

と言われていたので、この無になった世界が、今刀剣男士たちが守っている歴史の行き着く先だとしたら、海のような場所なのではないかと考えました。

川は山から始まりますが、水の流れとともに様々なものが流れていきます。

例えば山にあるような大きな石。

山から流れ落ちる石は、川の流れの中でぶつかり、削られ、だんだんと小さくなっていく。

そして海にたどり着く頃には小さな砂になります。

歴史という大きな川の流れの行きつく先、海には歴史の荒波の中生きた人々の証が集まる、ということをこの砂が表しているのではないかと思いました。

ちなみに、刀ステの悲伝でも山姥切が様々な日本の歴史を見せられたのちにたどり着いた、三日月と戦った場所も、波の音がする場所だったので海だったと思います。

また、誰もいなくても時間は進む、と歌詞にあったことから、時の流れを表す砂時計のような役割もある、ダブルミーニング的なものかもしれないです。

 

・流れていたクラシック

本編中はとりあえず月光と悲愴が流れていたことは覚えています。

悲愴って悲しいという意味の題名なのに、どこか曲には温かさと優しさを感じるメロディですよね。

悲しい役割を背負ったものに対する慈愛のようなものを感じました。

 

本編の感想

さてここからはいつものブログのようなただの感想です。ようやく感想!ここまででで4000字近く書いてるのですが……

 

・恒例OP刀剣乱舞

アレンジめちゃめちゃかっこいい!!!

あと刀ミュは階段しか動くイメージがなかったんですが、知らない間に舞台セットめっちゃ動くようになっててびっくりしました。

 

・誰かが覚えてるなら

刀剣男士は人々に長い間語り継がれてきた逸話があるからこそ顕現できる。ということが、ちょうど豊洲で上演中の天伝で立証されていますが、刀ミュでもこの話が出てくるとは思わなかった!!!

特に、誰かが覚えている限り自分は存在している的なセリフを現在所在不明とされている豊前江が言ったのが……重みがすごい……

 

太田道灌豊前

時間遡行軍に危うく歴史改変されそうになった時、史実通りさくっと殺しちゃう豊前江にかなりびっくりしました。人の姿してるけどやっぱり刀剣男士なんだよなぁ。史実通り死なないなら殺すけど、その人がどんな人だかを知りたいっていうのは真っ直ぐな彼らしいなと思いました。パライソ見たいな。

また、私の一押しシーンの話をしたいんですが、江戸城完成後、豊前江・五月雨江・太田道灌江戸城を眺めながら語らうシーン。

豊前江がすごく優しい眼差しで見つめているんです。

こういうちょっとした仕草や表情にやられがち……

 

・自己紹介ソング

これは私が前から勝手にこう呼んでるんですが、初登場時に歌ってる曲です。三池兄弟も雨さん雲さんの曲もめちゃめちゃ好き!!!自己紹介ソングではないですが、水心子と清麿の糸を結ぶ歌もめちゃめちゃ好きですね。振り付けも良い。

 

江戸城の石垣

これは私が見に行った回の話なんですが、かわいかったから書きます。石垣となる石を運ぶ豊前江の頭に衣装の紐がペチンってなっててちょっと可愛かった………

あと、太田道灌がこの石垣はこの先歴史を支えるものとなる?的なことを歌っている最中、それを聞いた豊前江が嬉しそうなのも印象的でした。やっぱり物だからこそ、そういう風に思ってもらえると嬉しいのかな。

 

・花の歌

上から花びらが降ってくる曲です。

これ現地で見てあまりに圧巻で、オペラグラス持つ手が震えました。歴史上の人物それぞれの戦いが繋がって、刀剣男士が出てきて、最後は全員で。戦う人々、祈りを捧げる人々を、おそらく誰よりも豊前江が見つめていたのが印象的でした。

回転する舞台セットなのも場面転換が分かりやすく、よかったです。

 

・人はなぜ歌うのか

言葉だけでは伝えられない思いを、祈りを、時間をかけて形は変わりましたが、今も昔の人も歌を歌ったのではないかと思いました。

 

・みほとせ

所々みほとせの曲と似たような部分があったので、みほとせ好きとしては大歓喜でした!

 

・2021年のテーマ

2021年の刀ミュのテーマが「祈り」なんじゃないかと思いました。今回の心覚では祈りという単語がセリフに入っていましたし、パライソは題名から祈りが重要な話ではと思っているので。

「歌うことは2倍祈ること」と言われています。なので、2021年というより、刀ミュ全体のテーマに祈りが入っている可能性もありますね。

 

・今回の話

正直刀ミュがここまで攻めた話をやるとは思っていなかったので、非常に驚きました。

 

・時世

時世を物語の中に組み込んだものって結構賛否分かれたりすると思うんですが、私は今回のこの心覚の話めちゃめちゃ好きです。もしかしたら、刀ミュの中で1番好きかも。時世を組み込んだところが、様々な解釈ができる感じだったのもよかったと思います。

 

・水心子が想定の500000000倍可愛かった

元々ゲームでこの子かわいいなって思ってたんですが、ミュで見たら想定より可愛くてひっくり返りました。超可愛い!!!

 

・私たちはすべきことをする

1部まとめのシーンのところなんですが、白いライトが客席に向けられるので、うっかりオペラグラス構えたままで、眩しい!!!になったので、定点予定ある方は注意してください(?)

それはそれとして、ここかっこいいですよね。

 

・1部まとめ

これはものすごく極論ではあるんですが、私が思うに刀剣乱舞って愛の物語なんですよね。

今回の刀ミュであれば、三日月の愛、その三日月を救いたいと思う水心子の愛、それぞれの歴史上の人物の行動も何かを愛する心から。

人々の思いが未来を作る。

遠い昔に生きていた人々の思いがあるから今がある。

そういったことを思い出させてくれる、そう思わせてくれる作品だと思っています。

話は変わりますが、1部最後の曲本当にいいですよね……

 

・やっと2部の話

長かった。2部の話に入ります。

初日は2部衣装のお披露目で大騒ぎしてたら1曲目終わってたので、全然記憶にないんですが(クリスマスカラーなんだもん……)現地の時はちゃんと落ち着いて見れました。曲が全部良い!!!

 

・デュエットと江

デュエット組のペンライトが、現地だとみんな基本2本持ってたので3バルから見ると綺麗でよかったです!三池兄弟歌うまいな〜!!

江の曲定点してて、豊前江輝きすぎてウッになったので、豊前江がshining dreamとかよくわからないことを考えてましたね。(歌詞の話)

 

・ダンスタイム

ダンスタイム、階段のところに座ってワンワンポーズしてる雨さん雲さんが超好きです。かわいい。

 

・ペンラ曲

みんなでペンライト振る曲めっちゃ盛り上がりませんか!?テンション爆上がりする!!!

初日、ペンラの色変わっちゃった豊前江がめっちゃ映ってたので正直可愛くて沸きました。

 

・ファイヤーのやつ

これは新曲……?太鼓叩くのめっちゃいいですね!!現地じゃないと太鼓の音はあまり感じられなかったですね……

ファイヤーの豊前江めっちゃかっこよくて、これもひっくり返るかと思いました。

 

まとめ

ここまでで7000字近い……エーステのライブの記事がたしか7000字超えていたので、それ級ですね。それだけ私がこの作品を気に入ったってことです!

まさかまたTDCで刀ミュを見ることになるとは思わなかったので、本当に人生何が起こるかわかりませんね。

感想のところにも書きましたが、ほんとに豊前江の優しい眼差しに心を打たれてしまったので、今四六時中心覚のことしか考えてないです。花の歌のところも圧巻であんなに手が震えるとは思わなかった。本当にめちゃめちゃ楽しかった……

 

というわけで今回はこの辺りで。

次回は刀ステ旡伝かなー